2023年1月

持つべきものは、ブラック研究室でメンタルをやられた経験を持つ友人だなと思った今日この頃。ぐちを書いていた時期から私の中で「一線」は超えていたのだけど、「二線」目を超えてしまったので、然るべきところで然るべきことをしていく予定。次の線を越えてしまったら、私の中で何かやばいものが芽生えそうなのでさすがに対応していく。

1月中は自分の修了に一切無関係な論文を書き直していた。12月に駆け込みで1報を某DPIに投げた結果、大炎上してしまい、サーベイからやり直すはめになった。なんとか書き直して再提出し、少し気持ちに余裕ができたのですずめの映画を観たら、一線を越えたことはどうでもいいのではないかと思ったりもしたけれど、予備審とかの究極に心に余裕がない時期に何か事があったら困るので、それはそれとして粛々とやっていく。

この論文のせいで、今年度の抱負を考える余裕がなかったけれど、とにもかくにも「今年の秋で絶対に修了する」というところだけは達成するというのが今年の抱負。

(続きは炎上論文の言い訳)

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2022年12月

大雪の中、山形で中高校生のポスター発表を聞きに行ってきた。賞をもらったこともないくせに、何の権利があって審査員なんかやってんだと自分でも思いながらも、中高生にいろいろと質問させてもらった。去年から、時折こうやって中高生の発表を聞かせてもらうたびに、自分も研究頑張んないとなーと思わせられることが多く、励みになる。

12月もあと数日しかないけれど、12月中に手持ちの2報のボールを投げられるようにする。絶対年跨ぎはしない。とりあえず、去年の12月の月記に書いてあったことをもとに、今年の反省をつらつらと書いておく。

今年度はハードなサンプリングをしないので、英語とか勉強できるとか宣っていたけれど、結局これまでに取ったサンプル量が多かったので、その処理で精一杯になり、勉強は全然できなかった。まだまだ、データドリブン研究のしんどさを理解していなかったと思う。一般的にそうなのか、自分の能力不足が原因なのかは判断できていないけれど、自分の中で+αの勉強、研究をする余力を作るにはデータ解析だけに専念できる環境(=サンプルの測定をしなくてもいい環境)でないと難しそう。

生活面は基本お金で時間を買うスタイルにしたのは良かったと思う。そもそも、JSTでの採択がなかったらできなかったので、JSTに感謝。出費は大きいけれど、特に最近は晩ごはんもすべて学食なりお弁当なりで済ませているおかげで、生活はだいぶ楽。健康かどうかは知らない。

論文はもう必要な時に必要な分だけ読むスタイルであきらめている。話はそれるけど、文献に関して、つい最近Scansnapを買って英文法書とか教科書とかをにしてメンデレーに突っ込んで使うようにしてみたら非常に便利だった。もっと前からやっておけばよかったとすら思った。時間をお金で買うスタイルで、ご飯を作る時間を減らしたり、論文を書くのにかかる時間を短縮したりして、他の勉強、研究の時間を作る工夫をするのが大事だなと思った。

一応、論文は2報書けた(書いている)し、データ解析の知識も増えたし、コーディングも多少早くなってきて、何もしていなかったわけではないと思う。が、まだ成果になっていないので、何もしてないともいえる。とにかく、2年の間に力をつけた部分を駆使して、さっさと卒業できるように頑張りたい。

来年の目標は年の初めにでも落ち着いて考えようと思う。

 

おわり

 

(つづきは長い長い愚痴)

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2022年11月

11月のスケジューラーを見直してみるととそれなりに予定が詰まっていたので、多分忙しかったのだと思うけれど、学会に行ったこと以外はほとんど記憶がない。

以前、動画投稿型のオンライン学会で発表した時は、誰も聞きに来てくれないという苦い経験をしたので、今年は対面開催している小さい学会でポスター発表をすることにした。バイオテクノロジー関連の学会で、研究テーマ的には学会にあっていたものの、やっていることはデータ解析がメインなので、聴衆の反応はいまいちだったし、あまり有意義なディスカッションもできなかった。一応、踏み込んだ解析をしている(した経験がある)先生が2~3人くらい聞きに来てくれたのは良かった。バイオ系のウェットとドライの垣根は相変わらず高いのかなあと思う。

今回は小さい学会に参加したわけだけど、小さい学会でそれなりに問題もあるなあと認識した。基本的に、その学会を支配している研究室の研究テーマに内容が偏る。バイオテクノロジーの対象としては微生物に限定していないのにもかかわらず微生物がテーマの人が多かったし、中でもプラスミドの研究がうんざりするほど多かった。あとは、当たり前だけど、似たような研究グループが集まって学会を作っている都合上、仲良しグループが出来上がっているので、そのグループにテーマが近くない限り学生の身分で懇親会で交流するのはかなり難しい印象(そうでなくても無理なのに)。まだ次の発表用の成果はないけど、次回はどこで発表するべきかはいろいろと調べておいたほうがよさそう。

12月はいい加減論文をサブミットするところまでもっていく。

2022年10月

D3になってしまった。バッセン通いをしていたら、肋骨を疲労骨折してしまったようで、寝返りを打つのがつらい。

今年度仕掛けた実験のサンプリングもついに終わり、あとは測定に専念するのみ。懸案の元素分析はある程度進められたものの、他の測定も残っているのでデータが完全にそろうのは来年3月くらいな気がする。いろいろとやったほうがいい追加の測定はあるのだけど、データを出してから基本的なデータ解析をして、さらに高度な解析をやって、、、という過程を考えると、かなり妥協する必要があると再認識した。データドリブンの研究なのでデータ量は大事なのだけど、むやみやたらにデータを増やし続けるよりも、今あるそこそこのデータで議論できることだけ議論するのがベターなんだろうなとは思う。どう考えても来秋の卒業は厳しい気がしているけど、死ぬ気でやるしかない。

この二年間研究してきて言えることは、フィールドスケールのマルチオミクスの研究でサンプリングから測定、データ解析まで一人でこなすのは無理。修士の頃からサンプルを集めて測定を始めて、博士で高度なデータ解析をするなら可能だと思うけど、少なくとも3年では到底無理。分析化学とデータ解析の両方の知識も増えて勉強にはなったけど、そもそもラボ内に分析化学を分かっている人も、データ解析を分かっている人もいない中で、完全ソロプレーでの研究活動を強いられたことに関しては全く納得がいっていない。いまだに大ボスの意図が全く分からないのだけど、研究を進めるうえで明確なチーム体制をなぜか作らせないので、個々人が好き勝手間違った分析をしたり、技術が伝承されないという最悪な状態になっている。ましてやwet系の研究室なのにその状態なので、なにがなんやらという感じ。この状況に関しては、出戻りする前からある程度理解はしていたので、私にも多少の非はある。次は、もう少し尊敬できるPIのいる研究室に行きたい。

とにもかくにも、測定とか論文の修正とかを粛々とやっていく。

あと、9月の話だけど学振DC2が取れた。申請書がほしい方は、コメントにでもその旨書いていただければ差し上げます。書面審査セットの農学・環境学7のところに申請しました。

 

おわり

2022年9月

バッティングセンターに通う日々。

ICP-MSでの元素分析に手を付け始めた。研究室内にはICP-MSを使い倒している人がいないこともあって、きちんとしたデータを出すには少し時間がかかるだろうなとは去年から思っていて、想定通り時間がかかっている(4月の時点で5月中には終わりたい、と日記には書いてあるのに、結局ここまでずるずるとやっている)。今まで測定したことのなかった元素については、ガラス器具からのコンタミが結構ありそうで、そういうことは分析の本にも書いてあるのだけれど、実際に装置をいじりながら自分の肌感覚と実際のデータをリンクさせていくのは面白い。さっさと測定を終わらせないとまずいので、面白がっている場合ではない。

 

おわり

(続きは愚痴です。)

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2022年8月

やっと論文のドラフトができた。ワードの編集時間は287時間、だいたい1日8時間稼働として35日くらいかかっていたらしい。ワードを開いたまま、途中で解析の手戻りと再検討とか、細かい作図の修正とかもあったので、体感的にもデータがそろって書き始めてからそのくらいはかかっていた印象。

論文を書き始めたのは今年の7月からだけど、解析自体は去年の7月からずっとしていて、論文にするまでに結局1年近くかかってしまった。去年の今頃はまだRの使い方もよくわかっていなくて、コーディング自体に四苦八苦していた記憶があるので、そこからはだいぶ進歩した気はする。とはいえ、解析の本質を理解せずにコードが動くからいいやと流している部分も多いので、まだまだ勉強不足。

当初うまくいくんじゃないかと思っていた解析手法も、うまく意味づけできる解析結果にはなっていなかったので、そこから二転三転して何とか今の結果にたどり着いた。最初はWGCNAで、二転目がMCIA。三転目がベイジアンネットワーク。

WGCNAは相関関係をベースにした解析なので、環境サンプルのマルチオミクス解析に使うには、相当ノイズのないきれいなデータか、そこそこのサンプル量がないと難しいように思う。個人的には環境サンプルでの相関解析に対する不信感(懐疑心?)が結構高まった。相関は因果ではないとはよく言われるけれど、手を動かしていた当時はそのあたりの認識がなかったので仕方がない部分もあるのだけど(あと、PNASの論文はいい感じの解析結果を出してたし)、無駄な時間を過ごしてしまったなあと思う。MCIAはWGCNAに比べれば悪くはなかったけど、マイクロバイオームのデータの特徴はうまく抽出される感じではなかったので、ノイジーなデータにはよくなかったのかなあという印象。きちんと線形代数を勉強したらこういう解析の良し悪しを定量的に?理解できるんだろうか。インフォマティクスの人たちがこういう解析を理解するときの直観というか、センスの部分を知りたい。最終的に、ベイジアンネットワークやってみたらという共同研究先に先生の鶴の一声で、何とかそこそこ議論のできる解析結果に収まった。観測変数の限界があるので少し無理矢理なディスカッションになってる部分もあるかもしれないけれど、概ね面白いストーリーなったんじゃないかなと思う。というか、面白いと思ってもらえたらいいな。

来月からは、滞っていた分の去年のサンプルの測定をやっていく。測定のプロトコルができていないので、なんだかんだ1か月以上かかりそうな予感する。濃度のレンジの見極めさえできればただの定型作業なので、3週間くらいで何とかしたい。マルチオミクス解析用のデータ測定から統合解析まで一人でやるのは、非常に勉強にはなるが、あまりにもしんどい。

おわり

2022年7月

論文が書き終わらないけど、漫画は描き終えました。

2月の末くらいに大学のサークル同期から、久しぶりに部誌をつくらないかとお誘いがかかり、ちびちび漫画を描いたりしていた。気晴らしのつもりで描くことにしたものの、論文も書き進めないといけない中で作業するのは普通にしんどかった。創作活動は心のゆとりがないとできない。でも、なんとかC100に本が出る見込み。やるべき勉強があまりできなかったので、そこは反省点。

論文のほうは、マテメソ、結果、図表の作成がだいたい終わったので、あとはディスカッション半分くらい加筆していくのと、イントロをまるっと書いていく感じ。お盆前には終わりたい。データが多いぶん、図表の手直しが結構時間がかかってしまった。ネットワーク図があるとなおさら。そういえば、論文内でGephiを使ってネットワーク図を書いている人が多いけど、わかりにくいからやめてほしいなって、常々思っている。複雑な情報をわかりやすく図にするのが目的のはずなのに、みんなネットワーク図作っているからとりあえず作っているような印象で、手段と目的が入れ替わっていると思う。

あと、結局ベイジアンネットワークの基礎的がおざなりなまま、論文を書き進めてしまっているけど、レビュワーと戦いながら勉強していけばいいかなという、半ばあきらめの状態。そういうのはよくないということは重々承知だけど。

7月末は、ふらふらっと東京へ。講演会を聞きに行くついでに、大学の同期と情報交換だったり愚痴りに行くのが目的。彼は、ブラックラボにメンタルを潰された人で、別の大学の研究室に入り直してDを取り、今は会社の研究所で元気にやっている。就活の話とか、今の研究室の話とかをしたあと、上野あたりまで散歩をして解散。

研究室にこもりがちになってしまうので、こうやってときたま人と話すようにしたい。

おわり