2024年1月

代わり映えすることもないけれど新年。急遽仙台に行って測定をしてきたり、面接を受けたり。

―研究。年末はだらだらして過ごしたので、新年はゆるゆると研究をスタートするために二日からラボへ。箱根駅伝の走者が15号線を走り抜けていくのをぼんやりと眺めてからラボに着くと、ボスの居室にはすでに灯りがついていた。この場所で云十年チームリーダーをやるということはそういうことなんだろうな、と思ったりした。ある分野のトップランナーとして存在しようとするためには努力をするほかないんだろう。家に居場所のない哀れなおじさんでもあるのかもしれないけれど。

今の研究所に移ってボスの背中を見られたことは、私にとってよい経験になったと思う。ただ、ラボの実情を見てみると、ボスの専門のNMR以外の分析機器や解析のことはわりと杜撰な取り扱いをしていて、正直がっかりした部分もある。これはこれで、なんでもできるスーパーマンはいないんだということも大きな気づきだったりする。私は自分以外の人のことをスーパーマンだと思ってしまいがちなので、国内ではトップであろう研究所の人間でもこんなもんなんだと知れたことにも意味があるように思う。

1月の中旬は仙台でICP-MSでの測定をしてきた。作業スケジュールをぎちぎちに詰め込んで作業した弊害で、測定が失敗しているサンプルに気づいたときには帰りの新幹線の中だった。時すでに遅し。重要なサンプルはほぼ問題なかったので、解析に回してみて再測定したほうがよさそうであれば、2月にでももう一度測定しに行く予定。東京仙台は近いのがありがたい。仙台から帰ってきてからは、いつもこねくり回しているデータを触るのに飽きてしまったこともあって、修士の頃に取った土壌のデータを触っていた。修士の学生だった当時は土壌の知識もデータ解析のスキル(=観察の技術)もなかったがために無視していた部分に、極めて重要なことをあったということに6年越しに気が付いた。知識と観察、それを紐づける教養(?)の3つが研究では重要なんだなあと思った。これもまた、とてもいい気づきだった。

―体調。去年のこの時期くらいから活動量計をつけていて、体調の確認に活用してる。二日酔いでだるいなというときは数値も悪いし、早寝をして十分に睡眠をとった後だと数値もよいので、当たらずとも遠からずくらいの気持ちで参考にしている。

今月はコーヒーの飲みすぎなのか、普段の食事が良くなかったせいなのか、1週間くらいぐったりしていた。活動量計の数値も悪く、胃腸の不調っぽいと気づいてから白湯を飲んで過ごすようにしたら復活した。食事にも気を使わないといけない年齢になってしまったらしい。胃腸の不調を直してから仙台に行っている間は、活動量計の数値もいい感じだったのだけれど、帰ってきてからは数値上はまた疲労がたまってきているらしい。しかたがないので、部屋をちゃんと暖かくしてしっかり寝るようにした。体力的には下るだけの人生を、いかにゆっくり下るかというステージにいつの間にか来てしまった。

―就活。前の月記にも書いていたけれど、修了後から国研か企業でいいところがないかなーという感じで次の職場を探していた。今年度は就活の情報収集をするだけのつもりで動いていたのだけれど、菌叢解析関係のことをやっている小さい会社で1社だけ興味を持ったところがあって去年の11月くらいから面接を受けていた。

大きい会社でも菌叢解析の研究で募集があったので受けようかと思ったのだけれど、結局のところ応募はしなかった。前職はまあまあの規模の会社だったけれど、残業するなと言われたり、9時でフロアが強制消灯されたり、実験するにもいろんな根回しが必要だったりで、研究・開発環境としてはうんざりしていたのを思い出すと、またそうなるんだろうなという予感がよぎった。しょうがないことだけれど、組織の規模が大きくなればなるほどガバナンスが重視されて、組織のしなやかさが失われてしまう。

ということで、来年度からは会社で働く予定。3月中になんとか論文投稿できるようにがんばる。

 

おわり