2020年7月

 7月の上旬に研究室で今後の研究テーマの打合せをしました。研究室では生物を利用した汚染修復(バイオレメディエーションと言います)をテーマに扱っており、微生物による有機化合物の分解や植物による重金属(カドミウムヒ素など)の吸収などについて研究しています。

博士課程に進学するにあたっては、修士の頃に研究していたテーマである土壌汚染の修復から水処理へテーマを広げたいと思っていました。土壌というものは汚染の到着点であっても汚染源ではなく、基本的には水か大気を介して人為的に汚染されるものです(地質的に重金属が多い地域もあり、自然由来の汚染もありますが)。そのため、できれば汚染源となるものをテーマに研究をするべきだと思っていました。また、打算的ですが、水処理のほうが社会的にニーズが大きいので、研究を続けられなくてもそういった業界へのとっかかりになるかなあとも思ったり。

しかし、研究の打合せでは今後のテーマがデータ解析となってしまい、慌てふためきながらRの本を買って読んだりしています。簡単に言うと、土壌―植物―微生物が相互作用し合う複雑な系の中から、汚染修復に大きく影響するファクターをデータ解析によって抽出して、バイオレメディエーションを高度化・実用化するという感じです。少なくとも私の扱っている植物を使った汚染修復の分野ではまだデータ解析を主として研究は始まったばかりという状況のようです。

打合せ中はテーマへの理解がちんぷんかんでしたが、「データ解析もビジネス的には流行りだしまあいいかあ」と、これまた打算的に前向きにとらえて、四苦八苦しながら面接に向けた簡単なスライドを作り始めています。

 おわり